「時こそ名工なり」 2005/01/17
以前から思っていることなんですけど、長年「極める」などで重要文化財や人間国宝と接して来て
思うことは、重文だって人間国宝だって、いきなりなったわけではないんですよね。
建物も造られた当時はキンキラキンだったんですよ。
現代の何十階建てのビルと同じだったんだと思うんですね。
それを「時」という流れが風化させて、ケバケバしさを削り、その環境にマッチさせたんだと思うんですよね。
丁度、ツタが絡まったり、石庭に苔が生えて、色と丸みを帯びるようにね。
人間だってそうだと思いますよ。子供の頃、元気に飛び跳ねてた時から段々動きが鈍くなって来て…。
その代わり丸みが出て、苔の代わりにシワが増えて、良くも悪くも色んな経験を積んで名刹のようになるんだと思うな。
ちょっとキザだけど、枯山水なんかジーッと見てるとね、
雪が積もるように、時間が降り積もっていく様子が見えるような気がするんだけど、これも中高年の特権だね。
建物にせよ美術工芸品にせよ、作った人は確かに技術はありますよ。
でも、今という時代に見て触って感心させられるのは、「時」が磨き上げたせいなんじゃないかな。
上手くいえないけど、だから「今」がとても大切なんだよ、いいシワを刻むためにもね。
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万博に思うこと 2005/01/22
先日、購読しているメルマガで
おいでよ!
名古屋みゃーみゃー通信 http://toppy.net/
大阪万博と、「愛・地球博」のことが書いてあったんですけどね
考えてみると、大阪万博って、私が業界に入って2年目〜3年目に架けてだったんですよね。
…で、思い返すと、あの時の万博は、すごかったね、人出が。
私も行ったけど、車で行ったんですよ、東名・名神使ってね。…で、着いてみると車の数も
半端じゃなかったですね。
結局、駐車場に入れないから一晩、車の中で過ごしたんですよ。
夏だったから堪りません、窓開けておくと蚊が入って来るので
タバコの煙で何とかならないかと思ったけど、なりませんでした。
うしろの車の人が見かねて蚊取り線香1つくれまして、それで何とか凌げました。
あの時の、後ろの車の方、感謝してます。m(__)m
夜が明けて、いざ会場に入ると人・人・人でほとんど見れない状態だったですね。
自分が関係しているパビリオンを見て、あとは当時万博の目玉だった「月の石」。
これが見たくて列に並びましたよ。中に入ると立ち止まらないでっていわれ
見た目、そこいらの石と変わらない石がケースに入っっていて、
その前をずるずると流れて行ったのを覚えています。
でも、月面着陸当時の入り中(生中継)の仕事をしていたので
「おお! あの時の石か!」って感動しました(笑)
石ころ1つで感動!平和でしたね。
大阪万博から今まで、いくつかの博覧会があったけど、
どこも似たり寄ったりの映像博覧会のような気がしますよ
大阪の時は大きなスクリーンで、次にポートピアになるとオムニマックスとか出て来て
半球形のスクリーンで180度視界になり、さらに全周にスクリーンを配置した
マルチ映像とかでしたね。
今回は、球体のようになるらしいですけど、映像ソースは何だろう?
球体だと考えられるのが宇宙に立つとか、水中とか、体内とか、コンピュータの中が
浮かぶんだけど…。
テーマからして宇宙から母なる地球に旅するなんて…ありきたりじゃないよね
期待してますよ〜!
今回、私の見たいNO−1は「冷凍マンモス」。やはり実物には適いませんでしょう。
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旅のスーツケースの中味 2005/01/30
私達は、ロケにいく場合機材が多数あるので、私物は必要最小限にまとめてます。
今日はスーツケースの中味を吟味します。
まず、着替えは暑い所でも寒い所でも下着3枚。Tシャツ3枚。
長袖シャツ1枚。半そでシャツ3枚。タオル1枚。
替えのズボン1本。これは、必ずジーンズ以外のものにします。
なぜかというとジーンズで入れない所が時々あるからね。
プラス寒い所であればセーター1枚。スニーカー1足。常備薬。お風呂セット。洗面具。
粉末のしょう油。唐辛子(これ重要試験に出ます)。折りたたみの物干し。雨合羽。
大体こんなところです。これに、行く時に着てるものが加わります。
これでスーツケースの半分は完全に空いてます。
実際のローテーションですが
下着・Tシャツなどは、毎日ホテルで洗いバスルームに干します。
ズボンは、行きにジーパンをはいて行きます。
長期の場合はホテルのクリーニングでローテーション。
ホテルでジーンズをクリーニングに出すとキッチリ折り目を付けてくれるのが難点ですがね。
シャツやジャケットは、現地の気候風土に合わない時など、
現地で買いますが大半は大丈夫ですね。
極端に暑い所や寒い所は現地の物を買うほうが、その土地に適していますので
そちらを優先します。
空いたスーツケースの半分に買った着る物を入れて帰ります。
長期になる場合は、Tシャツなどは行きと帰りとでは柄が変わちゃってるね。
現地で派手なやつを購入して入れ替えてしまうから(笑)
私みたいな仕事関係の人は
ひとつ問題があるのは、年がら年中、家の中には夏服と冬服が混在していること。
衣替えで季節外れのものもしまえないってことかな。
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絵コンテ 2005/02/18
先日メルマガの読者から相談を受けたので関連したことを書きますね。
その読者さんはストーリー性のあるDVDを作ろうとしているのだけれど
自分は初めての経験だし
カメラマンはセミプロを使うみたいでどうしたらよいでしょう?ということだったんだよね。
そこで私は、絵コンテ台本を教えてあげたんですけど、ちょいと補足を。
絵コンテってどんな物かは、こちらを参考にしてくださいね。
↓ ↓
絵コンテサンプル
絵コンテは使いようによっては、非常に便利で強力な台本になります。
ただし、イメージがかなり限定して来るので遊びの部分が少なくなります。
通常は活字の台本を理解して映像を組み立てて行くのですが
絵コンテはイメージの部分を限定してしまいす。
最近のアメリカ映画の特撮部分などは合成が複雑なので
好んで使われるようです。
なんせ完成イメージがあるわけですから楽です。
言い換えると駆け出しのスタッフなどには、うってつけです。
駆け出しの若いカメラマンなどはハシカにかかったような状態で
熱に浮かされていますから、暴走を抑える意味でも有効でしたね。
放っておくと覚えたてのテクニックに走りやすいですからね。
そういう人の熱い意見を聞くのは、現場では疲れますのでね。
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おいしいネコのえさ 2005/03/05
オーストラリアでクイズネタのために魚市場に行った時の事なんですが
市場の中を取材していてビックリしたのが
マグロの半身が置いてあるんですよね。近くにナイフもあって
好きな所を好きなだけ切って目方で幾らってやつがありましてね。
よく見るとトロの所が、まだあるじゃありませんか!
よろこんでトロと中トロの所を切って買いましたよ。
…で、その日はホテルに帰ってから
夜はトロで一杯やったんですが、おいしかったですね〜(笑)
市場にいるとき聞いたんですが、なんとこれはペットのえさ用に置いてあるんですって
毎日、日本料理屋の板前が来ていい所を買って行くそうです。
そりゃそうだよね。日本人ならトロは捨て置かないでしょう。
私達は、早い時間の取材だったので、まんまと板前さんを出し抜けたってわけです。
私が行った頃は、日本食の豆腐がヘルシーフーズとしてやっと入って来た時代ですから
まだ、トロは日本食屋さん意外は、興味なかったみたいですね。
でも。考えてみたらオーストラリアのネコって、いいもの食べてんだね。(笑)
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マニュアルかオートか 2005/03/28
我々プロのTV技術者が撮影する時いつもマニュアル設定で撮影するかというと
そんなことはありません。
ほとんどがマニュアルの世界ですが時には、オートも使います。
カメラでは、主にズーム操作が多いです。
カメラについてるマイクもオートに設定していることが多いですね。
その代わり、マイクは別にミキサーを通して
別チャンネルにマニュアルで録音します。
プロのカメラは音声チャンネルが4チャンネルあります。
これは、ステレオ対応でL/Rあるのと
音声特性がよいFM録音のトラックでL/Rあるためです。
アマチュアとプロの違いは、プロは撮影時に編集のことを考えながら撮影します。
演出家は、ドラマなどでは芝居と編集。
カメラマンは、構図と編集。
VEは、各シーンのつながり、これはもう編集と同じですね。
エフェクト絡みなら、なおのこと編集でどのような手順を踏むかを逆算しています。
音声さんは、VEと少し似ています。
ロケなどで条件が違う所で撮影した場合音質を整える逆算をしています。
各セクションの人達が皆編集でどのように繋がるかを想定して作業しているのです。
アマチュアは、とにかく撮ることに集中していますので、
後で処理が効かないことが多いんです。
一番大きな違いでしょうね。
オートレベルの音声も、このような理由から、ちゃんとした使い道があるわけです。
一般的には意識されていませんがノイズという使い方があるんですよ〜。
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桜の季節に思うこと 2005/04/08
この季節になると思い出すのは鈴木清純監督作品『桜変奏曲』の撮影時のことです。
鈴木監督は優れた演出家であるとともに脚本家でもありますね。
そのために撮影スタッフは、毎日大変な思いもします。
なぜかというと、通常ドラマの撮影は、台本にのっとって行われますが
その台本上で不都合な部分や書き足しが必要な部分は
脚本家と話し合い改定が行われます。
普通撮影に入る前に、この作業は、あらかた終わっていまして
撮影には、第3稿くらいで入ります。
それでも撮影中に、おかしな点に気づき直すことが、しばしばありますが
鈴木監督の場合は、朝一番にその日の撮影分の台本変更分が配られます。
そして、その量が半端ではありません。
スタッフは翌日も含めて先々の準備を進めていますが
まったく意味がないこともしばしばありました。
撮影が終了した時には、まったく新しい台本ができあがっていました。(笑)
といっても話の筋が変わるのではありませんで
表現が変わるのです。
鈴木監督のロケハンの能力は、すごいです。
初めての土地に行き、車に乗って付近を見て回ります。
もちろん良さそうな所があれば車から降りて見ることもありますが
ちょっと車を止めて眺めて見たり、車を走らせたままロケ地を選択してしまいます。
あとは、帰って来て当日分の台本の直しです。
こんなんでいいのかと思われますが、ちゃんと話の辻褄も合うし
背景にも違和感はないのです。
これをロケハン1時間半ぐらい、台本の直し1時間ぐらいでやってのけます。
翌日分は、夕食の後に行います。
そして、朝には…。といった具合です。
それでいて、いつもニコニコ余裕しゃくしゃくでしたから、とんでもない才能です。
そんなわけで、桜を見ると鈴木監督の笑顔と
きつかったけど楽しかった撮影のことを思い出しますね。
監督いつまでも元気で活躍してくださいね。
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